不良品検知AIを活用した検品の効率化や精度向上
物体検出
近年、製造業や物流業などでAI技術を活用する動きが見られます。その一つに不良品検知AIがあります。これは、人手の作業でコストがかかるため省力化したい、検品の精度を向上させたいといった課題から、重要性は高まってきています。
ここでは不良品検知AIとは何か、メリットや利用方法はどのようなものか、説明します。
不良品検知AIとは
工場などの製造ラインにおける生産物の正しい形状をAIに学習させ、ライン上を流れる生産物との差異を検出し、差分量をヒートマップでお知らせするものです。
不良品検知AIのメリット
不良品検知AIを利用することで考えられるメリットです。
1.コスト削減
目視での検査では人手が必要となりコストがかかってしまいますが、不良品検知AIを利用することで、人手の作業を減らすことができるので、コスト削減につながります。例えば9割の検査を自動化できれば、作業量は10分の1となります。
2.検品の効率化・精度向上
工場などでは生産スピードに合わせた検品が必要となりますが、前述の通り、検査の母数を削減することで生産の効率化や精度向上につながると考えられます。
3.記録が可能
録画映像として記録するので、出荷前後で商品の状態をトラッキングできます。たとえ破損やつぶれなどがあったとしても、録画映像をチェックして原因を洗い出すことができます。
4.利用者によるAI学習が可能
不良品検知AIを利用するには、AIエンジンに学習モデルを構築する必要がありますが、正しい形状のみを学習するだけで良いので、学習にかかるコストを抑えられ、仕組みを用意すればユーザー側でも異なるパターンの学習が可能です。
さらに既設カメラを使用できる場合は、リーズナブルに実施することができます。
想定される利用方法
チェック担当者による確認作業の際に、作業を補助するアラートとして活用します。
多くの生産物が流れるラインであれば、ヒートマップで差分を検知した際に、そのタイミングで流れる生産加工物をチェック対象として取り除くなど、利用シーンに合わせた活用が可能です。
システム構成
- 撮影開始のトリガーとなる信号をカメラに送ります。
- カメラで撮影した映像を検知システムに転送します。(カメラの映像はSK VMSに常時録画されます。)
- 検知システムで不良品検知を行い、結果の画像の出力を行います。
- 不良品と疑われる箇所を検出した場合、工場のパトライト点灯などでスタッフに通知します。同時に、SK VMSの録画データにブックマークします。※後で不良品と疑われる部分の検出が可能です。
- SK VMSから作業場のスタッフにスマートフォンにプッシュ通知を行います。※SK VMSアプリをインストール頂く必要があります。
- 作業場のスタッフがSK VMSに録画された映像を確認します。不良品と疑われる箇所を検知した録画映像のみの再生が可能です。
- 作業場のスタッフが検知システムを確認します。結果画像の一覧の確認・閾値の調整・既存商品の学習などを行います。
まとめ
- 不良品検知AIとは、工場などの製造ラインにおける生産物の正しい形状をAIに学習させ、ライン上を流れる生産物との差異を検出し、差分量をヒートマップでお知らせするものです。
- 利用することで、検品のコスト削減や精度向上、効率化などが期待できます。
- 良品の形状のみ学習するだけで良いので、新たな種類の不良品にも対応できるなど、柔軟に不良品検知ができます。また、ユーザー側での異なるパターンの学習も可能な場合があります。
このように、不良品検知AIを利用することで様々な課題を解決することができます。
ご興味がある方は、以下お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。