工事現場や建設現場は、トラックやショベルカーなど、多種多様な車両が日常的に出入りしています。現場効率化の観点からは、どの車両が何時から何時までどの現場で何をしたかを把握できれば良いですが、実行するには非常に手間がかかります。

また、工事現場での事故のニュースは絶えず発生しており、AIの活用による安全面での対策が求められていますが、何から実施するかの検討も労力が必要であり対策が遅れている現状があります。
現場の課題について、AIや監視カメラで効率化・安全対策の活用例をご紹介します。

監視カメラとAIの組み合わせの可能性

車両の入退管理には『車両ナンバー認識』、作業員の管理には『顔認証』が一般的に使用されています。ある程度の規模であれば、それらの技術により大幅に管理工数を削減することが可能です。

しかし、大規模現場では車両の区別やエリアの把握を実施しながら稼働状況を可視化したり、車両別に入退を管理するなど複雑なケースもあります。

そこで、監視カメラと画像認識AIの連携により、車両の種類を学習し入退時に分類する、車両ナンバーと組み合わせて個別の指示を送る、追跡技術で現場の車両の稼働状況をリアルタイムで可視化する、またはその記録を保管することが可能となります。

現場の安全性・効率化への一歩

現場の効率化や省人化は、今後の建設業界の大きなテーマとなるでしょう。監視カメラとAI技術の組み合わせは、その一歩として非常に有望な手段となります。新しい技術の導入により、現場の安全性や生産性を向上させることが期待されます。

車両・人の入退管理の効率化

車両の場合、工事現場内の車両のナンバープレートを登録しておくことで、監視カメラがナンバーを読み取り、入退時間をシステムへ記録することができます。これにより、従来は人の手で行っていた入退管理業務を省人化することができます。

人の場合は、事前に顔写真を登録しておくことで、AIカメラで顔認証を行い入退時間を記録することができます。これにより、セキュリティカード発行（紛失時は再発行）のコストや入退管理業務の労力を削減できるほか、不正侵入対策にも有効です。さらには、基幹システムと連携した勤怠管理も実現可能です。

接近検知による安全対策

フォークリフトや低車両による衝突・巻き込まれによる死傷事故は毎年発生しており、特に運転士以外の人がフォークリフト後退時に遭うケースが多いです。

そこで、監視カメラとAI技術を活用し工場内の車両や人同士の接近を検知した後、アラートを発生させることができます。また、禁止エリアへの侵入や走行の検知もできます。
さらに、クレーン車の先端にAIカメラを設置し、人間の存在を検知するとドライバーへアラートを出すことも可能です。
人との接触事故の発生や、荷物搬入時のヒヤリハット（※1）など、危険を伴う作業時の安全対策を可能とし事故発生を未然に防ぐ対策となります。

監視カメラとAIによる車両識別や現場判断と、現地にある誘導表示板やライトなどの物理的なデバイスを用いることで、大幅な効率化や安全対策ができる現場が増えています。

※１　ヒヤリハット・・・事故にはならなかったが、ヒヤっとした・ハッとしたこと

まとめ

建設業界は、伝統的な業界として知られていますが、技術の進化とともに変革の波が訪れています。監視カメラとAI技術の組み合わせは、その変革を加速させるキーとなるでしょう。

現場の安全性の向上、効率化、そして省人化の実現は、今後の業界の競争力を左右する要因となります。この技術の導入と活用により、建設業界は新たな時代を迎えることが期待されます。

ご興味がある方は、以下お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

▼関連リンク▼
■車両ナンバー認識システム
■顔認識システム SenseNebulaとは？
■車両認識・車両検知によって実現できること
■顔認証・人物検出によって実現できること
■AIで施設の安全を保つ転倒検知システムについて