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AI映像解析によるクマ対策

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近年、ヒグマ(北海道)やツキノワグマ(本州、四国)による被害が大きな問題となっています。
本記事では、クマ対策に使用できる製品・技術をご紹介します。

AI映像解析によるクマ対策

クマの出没要因

クマは自然環境の一部であり、本来人間との接触を避ける動物ですが、以下のような要因で人里に出没するケースが増えています。
弊社システム・ケイの本社がある北海道札幌市でも、2011年にクマが里山を越えて市街地に出没した事例があり、2023年には北海道東部で家畜の牛を襲うヒグマ「OSO(オソ)18」の脅威が問題になりました。

食料不足

森林伐採や自然環境の変化により、ドングリ・木の実や山菜などの食料が不足すると、クマは人里に下りてきて食料を探すことがあります。

人間の生活圏の拡大

都市や農地の拡大により、クマの生息地が縮小し、人間とクマの距離が近くなります。

気候変動

気温や降水量の変化が食物供給に影響を与え、クマが食料を求めて移動することが増加しています。

クマ対策に活用できる製品紹介

カメラやAI搭載レコーダー、ストロボサイレンなどを組み合わせることで以下のようなクマ検知システムを構築することができます。

●カメラ映像をAIで解析してクマを検知する。
●クマ検知時に音・光を出力してクマを追い払う。
●クマ検知時に周辺住民にアラートを出して注意喚起する。

クマ検知システム構成例

AI搭載レコーダー NVR-Pro TypeH

NVR-Pro TypeHは、AI推論を高速に実行できるAIアクセラレータ(Hailo-8)を搭載したレコーダーです。
1台で録画機能とAI映像解析機能の両方を兼ね備えています。
クマのほかに、人物や車両なども検知することができます。

AI搭載レコーダー NVR-Pro TypeH

以下の画像は、NVR-Pro TypeHで人形のクマを検知した様子を映したものです。
検知された3体のクマが黄色の枠で囲まれています。

クマを検知した様子

AXIS D4100-VE Mk II ネットワークストロボサイレン

AXIS D4100-VE Mk IIは、大音量で音声を再生する機能と併せてLEDライトを点灯させる機能を持っています。多様なパターンの音声再生やライト点灯によって、クマを追い払う効果が期待できます。
ネットワークカメラおよびNVR-Pro TypeHと連動させて、「AIでクマが検知されたら、自動で音声を再生しながらLEDライトを光らせる」などの使い方が可能です。

AXIS D4100-VE Mk IIネットワークストロボサイレン

YOLO(You Only Look Once)

YOLO(You Only Look Once)とは、リアルタイムに物体を検出するときに使用されるアルゴリズムです。
NVR-Pro TypeHには、学習済みのYOLOモデルが搭載されています。本記事でご紹介しているクマ対策システムでは、このYOLOモデルを使用してクマを検知します。

YOLOモデルの学習には、データセットとしてMicrosoft COCO(Common Objects in Context)が使用されています。
このデータセットには約33万枚の大規模なカラー画像が含まれています。(教師ラベル付きは約20万枚以上、残りの約12万枚は教師ラベルなし)
クマに関するデータだけでも約1000枚の画像があります。

実際のデータは、Microsoft COCOのwebサイト で閲覧することができます。

COCOデータセット

COCOデータセットのクマ画像の例

※参考資料※
出典:政府広報オンライン「シカのための踏切」

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